出向社員の労働保険について

労働保険の年度更新の時期になりますと、事業主様から受ける質問で多いのが、出向社員の労働保険の取扱いです。

ここでは、出向社員の労働保険についてまとめます。

在籍出向・転籍出向

出向には、在籍出向と転籍出向の2種類があります。
まず、在籍出向と転籍出向の違いについて説明いたします。

在籍出向とは


在籍出向とは、
出向元の企業の従業員としての籍を残したまま他の企業に出向して働くことを指します。

出向先と出向元の間では、その従業員の在籍出向について出向契約という契約を結び、従業員は両方の企業と労働契約を結びます。

出向先の企業で働いていたとしても、出向元の企業と従業員の間の労働契約は消滅しません。

転籍出向とは


転籍出向とは、
出向元の企業の籍を転籍先の企業に転籍して出向します。

出向元と出向先の間では転籍契約が結ばれて、出向元の企業と従業員の間の労働契約は消滅し、出向先の企業とのみ従業員は労働契約を結びます。

出向元との労働契約は消滅するために、在籍出向とは違い出向元の企業で一定の業務上の目的を達成したとしても、出向元の企業との労働契約が消滅しているので職場復帰できるかはわかりません。

出向元の企業とは労働契約が消滅するので、出向先の企業の指示のみにしたがって仕事をします。

出向社員の労働保険の取扱い

在籍出向社員の労働保険の取扱い


出向労働者の労働条件、出向先との契約、賃金支払い状況などの実態で判断することになります。

具体的には、
出向労働者が出向先又は出向元どちらの指揮命令下にあるか?
どちらの労働条件を適用されているか?
で判断します。

例えば、
出向先の労働者として組織的に組み込まれ、出向先の指揮命令を受けて働いており、出向先の労働者と同様な作業をしているような場合は、出向元が賃金を支払っていたとしても出向先にて労働保険手続きをします。

逆に、出向元の指揮命令を受けて働いていて、賃金だけを出向先が支払うような場合は、出向元にて労働保険手続きをします。

転籍出向社員の労働保険の取扱い

出向先の労働条件で賃金も出向先が支払うため、出向先にて労働保険手続きをします。

もし、出向元からも賃金を受けているのであれば、その賃金も出向先賃金に含めて計算します。

出向労働者の取扱(昭和35.11.02基発第932号)

ちなみに、以下のような通達があります。

出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行った契約並びに出向先事業における出向労働者の労働実態に基づき、当該労働者の所在を判断して決定すること。
その場合において、出向労働者が、出向先事業の組織に組み入れられていれ、出向先事業場の他の労働者と同様の立場(但し、身分関係及び賃金関係を除く)で、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事している場合には、例え、当該労働者が、出向元事業主と出向先事業主が行った契約等により、出向元事業主から賃金名目の金銭給付を受けている場合であっても、出向先事業主が、当該金銭給付を出向先事業主の支払う賃金として、徴収法11条第2項に規定する事業の賃金総額に含め、保険料を納付する旨を申し出た場合には当該金銭給付を出向先事業から受ける賃金とみなし、当該出向労働者を出向先事業に係わる保険関係によるものとして取り扱う。

出向社員の社会保険の取扱い

追記
出向社員の社会保険については、
社会保険は実際に在籍出向者に給料を払う方で適応されます。
在籍出向の場合は一般的に給料を出向元が支払っているので、出向元側で社会保険が適用されます。

【出向社員の労働契約】につきましては、こちらをご覧ください。


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