就業規則のよくある質問
就業規則にまつわる、よくある質問をまとめました。
質問1:就業規則を作成する義務のあるのは、常時10人以上使用する使用者とありますがどの単位で、どこまでカウントしますか?
回答1
就業規則を作成する義務のある常時10人以上とは、事業場ごとに判断します。
ですので、企業全体で10人以上とか事業場の部門ごとに10人以上という意味ではありません。
また、就業規則を作成する義務のある常時10人以上のカウントの仕方ですが、正社員・パート・アルバイト・契約社員を含めたた総数が10人以上という意味です。
ただし、派遣社員は含みません。
質問2:作成した就業規則は、労働者に周知が必要ですが、周知の仕方は?
回答2
作成した就業規則は、過半数組合又は過半数代表者から意見を聞くことが必要です。(労基法90条①)
そして、その意見書を付けて労働基準監督署への届け出が必要です(労基法89条)
届け出た就業規則は、労働者への周知が必要です(労基法106条①)
その労働者への周知の仕方ですが、次の3つの方法が認められています。
1.作業場への掲示・備え付け
休憩室・事務室ではダメです。あくまでも作業場です。
2.書面での交付
お薦めな方法は、採用して雇用契約を結ぶときに、就業規則も交付するのが良いです。
3.パソコンで閲覧可能にする
パソコンにパスワードをかけても良いですが、パスワードを知らせるなど自由に閲覧できるようにしてあげてください
質問3:なぜ就業規則は従業員を拘束するのか?(なぜ従業員は就業規則を守らなければならないのか?)
たとえば、「遅刻をしたら始末書を提出する」との定めは、雇用契約書に一切書いてないし、上司から聞いたこともなかったのに、就業規則だけにその記載があった場合、始末書を書かないといけないのか?
回答3
就業規則は、従業員の同意がなくても定めることができます。ほとんどの場合、その内容に従業員が不満を持っていたとしても従わざるを得ません。
それでも、
就業規則にしか定めがなかったとしても、それが従業員にとって不利益な定めであったとしても法律的な拘束力があります。
それは、労働契約法7条で以下のように定めているからです。
労働契約法7条:「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」
この場合の
【合理的】とは、「おかしくない程度」という意味です。
【周知】とは、「知ろうと思えば知ることができる状態」を言います。
質問4:就業規則を、従業員にとって不利益に変更した場合、それでも従業員はその就業規則に従わないといけないのか?
回答4
労働契約法9条と労働契約法10条は、以下の様に定めています。
就業規則の不利益変更は原則として許されないが(労働契約法9条)、 労働者が変更に反対していたとしても、変更に合理性と周知があれば、 例外的に変更後の就業規則が変更に反対する従業員に対しても法的拘束力を持つ(労働契約法10条)
すなわち、従業員にとって就業規則を不利益に変更したとしても、合理性があれば、就業規則の変更に反対する従業員に対しても変更した就業規則は法的な拘束力を持つ。ことになります。
質問5:上記の合理性の判断基準は?
従業員にとって不利益に就業規則を変更したとしても、合理性があれば、変更に反対する従業員に対しても法的拘束力を持つ。
とのことですが、この場合の合理性の判断基準とは何ですか?
回答:5
労働契約法10条で以下のように合理性の判断基準を定めています。
① 労働者の受ける不利益の程度
② 労働条件の変更の必要性
③ 変更後の就業規則の内容の相当性
④ 労働組合等との交渉の状況
を総合的に考慮する。としています。
また、労働契約法10条には記載されていないが、
不利益緩和措置(代償措置や経過措置)があったか?は、裁判になると問われる可能性が非常に高いです。
もし、就業規則の不利益変更に従業員が同意していたのならば、合理性の判断基準も必要ありません。
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