問題社員への対応の仕方

※ ここでいう問題社員とは、違法行為を繰り返したり正当な業務命令に従わない社員を言います。
社員の人格は最大限尊重されるべきであり、人格非難が許されるわけではございませんのでご注意ください。

ケース4 身なりを整えない社員への対応の仕方

会社は、従業員の服装や身なりを制約することができるか?
について、ご説明します。

裁判例では

会社は、従業員の服装や身なりを制約することができるか?
について、裁判所の判断は、
企業は、従業員の服装や身なりについて、「必要かつ合理的な範囲での一定の制約」なら可能
としていますが、具体的な判例としては、
【服装】について
神奈川中央交通事件(横浜地裁H6.9.27)
バス運転手に制帽の着用を義務付ける就業規則の規程は、不合理ではなく会社の権利の濫用でもない。として、肯定しています。

【茶髪】について
株式会社東谷山家事件(福岡地小倉支決H9.12.25)
茶髪にしたことについて、取引先からの苦情もなく、会社の営業にも悪影響がなかった。として、茶髪にしたことによる解雇を無効としています。

【ヒゲ】について
ハイヤー運転手 口ひげ裁判(東京地裁S55.12.15)
ヒゲを禁止している、乗務員勤務要領の規定は、無精ひげを禁止するもので、格別の不快感や反発感を生ぜしめない口ひげは、該当しない。として、口ヒゲを剃る義務を否定しています。

対処の仕方

身なりを整えない従業員に対しては、以下のプロセスを経ることが望ましいです。


① 就業規則に身なりについての規定を作る



② 身なりが整っていない社員には注意・指導をする

身なりの乱れに気付いたら、懲戒処分が難しいほどの程度であっても、直ちに注意・指導する
※ 身なりの乱れを認識していながら放置すると、会社がその身なりを認めたことにもなりかねません。

なお、注意・指導する場合は、下記にお示ししました、【注意・指導・教育の6大原則】をご参考にしてください。


③ 注意・指導に従わない場合は、懲戒処分や退職勧奨を検討する

懲戒処分は、就業規則に定めた上で、「けん責」などの軽い処分から、徐々に重い処分にすることが必要です。

注意・指導・教育の6大原則

1 指導する人は限定しておく

指導は、指導する人によって、指導方針が分かれがちになります。
指導する人は、【直属の上司→部長→社長】 のように順番をあらかじめ決めておいたほうが望ましいです。

2 指導内容は具体的・明確に

社員に気を使って遠回しな言い方をしても伝わり辛いです。
指導はより具体的に、より明確にすべきです。

3 就業規則をよく読む

就業規則に則った指導が大切です。
日ごろから就業規則を整備し、指導する側も良く理解している事が大切です。

4 成果・面談の内容は具体的に残す

注意・指導の内容は、書面に残し、社員の弁解内容も書面に残すことが大切です。
仕事の成果は、具体的な数字で残すようにしてください。

5 注意・指導・教育は冷静に

注意・指導は、

① 目的が正当
② 手段が合理的

でなければなりません。

煽ってくる社員もいますので、指導する側がヒートアップしないようにすることも大切です。
また、人格攻撃はしないようにして、淡々とビジネスライフに注意・指導しましょう。

6 録音に注意

秘密録音であっても裁判では証拠になり得ます。
また都合の良い箇所のみを切り取って、証拠にされる恐れもあります。

ですので

・ 録音されていることを覚悟で注意・指導する
・ 録音に気付いたら、守秘義務の観点から止めるように言う。

事も大切です。

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