問題社員への対応の仕方

※ ここでいう問題社員とは、違法行為を繰り返したり正当な業務命令に従わない社員を言います。
社員の人格は最大限尊重されるべきであり、人格非難が許されるわけではございませんのでご注意ください。

ケース5 遅刻・欠勤を繰り返す社員への対応の仕方

会社は、遅刻や欠勤を繰り返す従業員を解雇できるか?
について、ご説明します。

裁判例では

解雇が有効と認められるには、繰り返される遅刻・欠勤に対して、その都度、適切な対処を行ってきたか?というプロセスが必要になります。

たとえば・・・
神田運送事件(東京地裁S50.9.11)
1年間に欠勤が27日、出勤した252日のうち、遅刻が99日あった。という社員を解雇した。
⇒解雇に至るまでのプロセスを経ていなかったことから解雇を無効とした。

東京プレス工業事件(横浜地裁S57.2.25)
6月の間に欠勤が14日、出勤した110日のうち、遅刻が24日あった。という社員を解雇した。
⇒解雇に至るまでのプロセスを経ていたことから解雇を有効とした。

対処の仕方

繰り返し遅刻や欠勤をする従業員に対しては、以下のプロセスを経ることが望ましいです。

① 就業規則の用意

正当な理由のない遅刻や欠勤を懲戒事由とする旨を定めておく
  ⇓

② 遅刻や欠勤の度ごとに弁明の機会を与える

  ⇓

③ 弁明が合理的なものでなければ、注意・指導を行い改善を促す

なお、注意・指導の仕方は、下記に記載しました【注意・指導・教育の6大原則】をご参考にしてください
  ⇓それでも改善されなければ

④ 懲戒処分

軽い処分から徐々に重い処分にする。
  ⇓それでも改善されなければ

⑤ 退職勧奨・普通解雇・懲戒解雇を検討する 

以上のような、プロセスを適切に行えるように、プロセスをマニュアル化しておく事が望ましいです。
また、「プロセスを経た」ことが、証拠として残せられるように、【報告書】を作成してゆくことをお薦めします。

注意・指導・教育の6大原則

1 指導する人は限定しておく

指導は、指導する人によって、指導方針が分かれがちになります。
指導する人は、【直属の上司→部長→社長】 のように順番をあらかじめ決めておいたほうが望ましいです。

2 指導内容は具体的・明確に

社員に気を使って遠回しな言い方をしても伝わり辛いです。
指導はより具体的に、より明確にすべきです。

3 就業規則をよく読む

就業規則に則った指導が大切です。
日ごろから就業規則を整備し、指導する側も良く理解している事が大切です。

4 成果・面談の内容は具体的に残す

注意・指導の内容は、書面に残し、社員の弁解内容も書面に残すことが大切です。
仕事の成果は、具体的な数字で残すようにしてください。

5 注意・指導・教育は冷静に

注意・指導は、

① 目的が正当
② 手段が合理的

でなければなりません。

煽ってくる社員もいますので、指導する側がヒートアップしないようにすることも大切です。
また、人格攻撃はしないようにして、淡々とビジネスライフに注意・指導しましょう。

6 録音に注意

秘密録音であっても裁判では証拠になり得ます。
また都合の良い箇所のみを切り取って、証拠にされる恐れもあります。

ですので

・ 録音されていることを覚悟で注意・指導する
・ 録音に気付いたら、守秘義務の観点から止めるように言う。

事も大切です。

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