少子高齢化が進む中、パートタイム労働者は1200万にと、労働者全体の2割強を占めるようになりました。
パートタイム労働者の内訳をみると、約7割が女性ですが、若年者や高齢者を中心に男性のパートタイム労働者も
増加するとともに、パートタイム労働者の働きぶりは近年多様化基幹化しています。
こうした中、パートタイム労働法が改正され 平成20年4月1日より施行されることとなりました。
事業主の皆様にとって、パートタイム労働者は貴重な戦力です。
会社経営にとって欠かせない人材であるパートタイム労働者の労務管理は
会社経営にとって不可欠です。
以下、改正パートタイム労働法に沿った、パートタイム労働者の労務管理についてみてゆきましょう。
1.パートタイム労働者とは?
パートタイム労働法の対象であるパートタイム労働者とは、
1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者
と、されています。
すなわち、パートタイマー・アルバイト・契約社員・臨時社員など、
呼び方は異なっても正社員の方と比べて、勤務時間が短い労働者は全てパートタイム労働者となります。
2.パートタイム労働者の労働契約について
パートタイム労働者を雇用する場合も正社員を雇用するのと同じ様に、
事業主は労働条件を書面で明示しなければならないとされています
これは一般的に労働条件通知書と言われ、
書面で次の事項を明示しなければならないことになっています。
労働条件通知書の明示事項
〇 パートタイム労働者の労働契約の期間
〇 パートタイム労働者の就業の場所
〇 パートタイム労働者の従事する業務の内容
〇 パートタイム労働者の始業及び就業時刻、休憩時間、休日、休暇
〇 パートタイム労働者の所定労働時間を超える労働の有無
〇 パートタイム労働者の賃金の決定、計算及び支払の方法、締切及び支払の時期
〇 パートタイム労働者の退職について
〇 パートタイム労働者の昇給の有無 (H20の改正点)
〇 パートタイム労働者の退職手当の有無 (H20の改正点)
〇 パートタイム労働者の賞与の有無 (H20の改正点)
3.労働契約の反復更新
パートタイム労働者は通常1年以内の期間を定めて雇用されるのが普通です。
したがって、その期間が終了すれば当然にパートタイム労働者の労働契約の効力は失われ、
期間満了によるパートタイム労働者の解雇は必然的に成立することになります。
しかし、このパートタイム労働者の労働契約が反復更新されている場合には、少々事情が異なってきます。
つまり、そういった場合は通常、期間の定めのない労働契約と同じとみなされ、期間満了による理由だけでのパートタイム労働者の解雇は無効とされるのが一般的です。
したがって、一般の労働者に適用されるような労働基準法上の解雇手続がパートタイム労働者にも必要とされます。
つまり、事業主が解雇しようとする場合は、少なくとも30日前にそのパートタイム労働者のに解雇予告をするか、
又はそのパートタイム労働者の平均賃金の30日分以上を支払わなければならないことになっています。
さらに、労働契約更新打ち切りの具体的な理由も必要とされます。
4.パートタイム労働者の就業規則
パートタイム労働者を含めて常時10人以上の労働者を使用する事業主は、パートタイム労働者にも適用される就業規則を作成し、届出しなければなりません。
さらに、パートタイム労働者に係る事項について就業規則を作成・変更する場合には、
パートタイム労働者の過半数を代表する者の意見を聴く必要があります。
このパートタイム労働者の代表者には、監督・管理の地位にない者・投票などの方法により選出された者
という条件がありますので注意が必要です。
【就業規則】につきましては、こちらをご覧下さい
【こんな就業規則はダメ!就業規則チェックポイント】は、こちらをご覧ください
5.パートタイム労働者の有給休暇について
有給休暇は、事業場の業種、規模に関係なく、全ての事業場の労働者に適用されます。
ですからパートタイム労働者に対しても、有給休暇を与えなくてはなりません。
パートタイム労働者の有給休暇 付与日数
週所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者の場合
週所定労働時間数が30時間以上の労働者及び週所定労働日数が5日以上 有給休暇につきましてはこちらをご覧下さい。 |
6.パートタイム労働者の雇用保険
パートタイム労働者であっても以下の要件を満たせば、雇用保険の被保険者になります。
〇 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
〇 30日以上雇用される事が見込まれること
雇用保険の被保険者
雇用保険の被保険者は、年齢により次のように分類されます。
① 65歳未満の場合 一般被保険者
② 65歳以上の場合 高年齢継続被保険者
雇用保険の求職者給付(いわゆる失業保険)の支給を受ける為には、次の被保険者期間が必要です。
① 一般被保険者の場合
離職の日以前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あること
② 高年齢継続被保険者の場合
離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が6ヶ月以上あること
またパートタイム労働者であっても一定の要件を満たせば、以下のような給付を雇用保険から受ける事も可能です。
〇 高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金
〇 育児休業基本給付金・育児休業職場復帰給付金
〇 介護休業給付金
労働保険につきましてはこちらをご覧下さい
詳しくは岐阜ひまわり事務所にお尋ね下さい。
7.パートタイム労働者の労災保険
パートタイム労働者でも労災保険による補償を受ける事ができます。
保険給付
保険給付の種類としては
〇 療養補償給付
〇 休業補償給付
〇 障害補償給付
〇 遺族補償給付
〇 葬祭料
〇 傷病補償給付
〇 介護補償給付
また、通勤災害についても同様の給付があります。
詳しくは岐阜ひまわり事務所にお尋ね下さい。
8.パートタイム労働者の社会保険
全ての法人事業所と5人以上の従業員を使用する全ての個人事業所は、社会保険(健康保険・厚生年金)の適用事業所になります。
適用事業所の従業員であれば、パートタイム労働者であっても以下の要件を満たせば被保険者になります。
健康保険
パートタイム労働者の1日又は1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上の者は、健康保険の被保険者となる。
厚生年金
パートタイム労働者の1日又は1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上の者は、厚生年金の被保険者となる。
パートタイム労働者の1日又は1週間の所定労働時間が正社員の4分の3未満の場合は、岐阜ひまわり事務所にお尋ね下さい。
9.パートタイム労働者の税金
パートタイム労働者であっても、給与所得者として、次のように課税対象となります。
パートタイム労働者の年収 | (1)パートタイム労働者本人 | (2)パートタイム労働者の配偶者 | ||
パートタイム労働者本人が 課税対象になるか否か |
パートタイム労働者の配偶者には 配偶者控除が認められるか否か |
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所得税 | 住民税 | 配偶者控除 | 配偶者特別控除 | |
パートタイム労働者の年収が 100万円以下 |
パートタイム労働者本人には所得税がかからない | パートタイム労働者本人には住民税がかからない | パートタイム労働者の 配偶者には配偶者控除が認められる |
パートタイム労働者の配偶者には 配偶者特別控除が認められない |
パートタイム労働者の年収が 100万円超え~103万円以下 |
パートタイム労働者本人には所得税がかかる | パートタイム労働者本人には住民税がかかる | パートタイム労働者の 配偶者には 配偶者控除が認められる |
パートタイム労働者の配偶者には 配偶者特別控除が認められない |
パートタイム労働者の年収が 103万円超え~141万円以下 |
パートタイム労働者本人には所得税がかかる | パートタイム労働者本人には住民税がかかる | パートタイム労働者の 配偶者には 配偶者控除が認められない |
パートタイム労働者の配偶者には 配偶者特別控除が認められる |
パートタイム労働者の年収が 141万円以上 |
パートタイム労働者本人には所得税がかかる | パートタイム労働者本人には住民税がかかる | パートタイム労働者の 配偶者には 配偶者控除が認められない |
パートタイム労働者の配偶者には 配偶者特別控除が認められない |
(1)パートタイム労働者本人に対する課税
① 所得税
年収103万円まで課税されません
② 住民税
所得割と均等割が課されますが、所得割は 年収100万円までは課税されません。
均等割につきましては、市町村にお尋ね下さい。
10.パートタイム労働者の助成金
パートタイム労働者の均衡待遇の推進に取り組む事業主さんに対し、パートタイム労働者の各種助成金があります。
詳しくは岐阜ひまわり事務所にお尋ね下さい。
11.パートタイム労働者についてお手伝い出来ること
岐阜ひまわり事務所では、法律上正しい休業・休職の取扱をして、給料計算業務を行います。
岐阜ひまわり事務所では、会社設立から助成金申請・許可申請・給与計算・労務管理まで
御社の総務・人事部門を担当し経費節減にご協力できます。
お気楽にお問い合わせください
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