顧問先事業主様からの質問
退職時にまとめて有給休暇を取ると言い、引継ぎができずに困っています
今月末にて従業員が退職することになり、引継ぎをお願いしたのですが、「明日から今月末まで有給休暇を使って休む。」と、言っています。休まれては業務の引継ぎができず困ってしまいますが、それでも有給休暇を与えないとダメですか?
従業員の有給休暇時季指定権
従業員には、有給休暇を取る日を指定する権利があります。
これは、予め会社に届け出ることにより、好きな日に有休休暇を取ることが法律上認められているのです。
もし、従業員から有給休暇を取る日を指定した届け出があった場合、「会社は、事業場の業務が正常に運営できなくなる場合を除いて」、その日に有給休暇を与えなければなりません。
「事業場の業務が正常に運営できなくなる場合」を難しい言葉で、「会社の有給休暇の時季変更権」と言います。
「会社の有給休暇の時季変更権」とは、すなわち、従業員から「○月○日に有給休暇をください」と、届出があった場合、「○月○日に休まれると、業務が正常に運営できなくなるから、別の日に変えてください」
と、言える権利の事です。
では、どのような場合に会社は、「会社の有給休暇の時季変更権」を主張できるのでしょうか?
会社の有給休暇の時季変更権
法律上は、「事業場の業務が正常に運営できなくなる場合」に時季変更権を行使できる。となっていますが、具体的には
1.事業所の規模やその従業員の担当している職務に照らして、その日に有給休暇を与える影響の程度と
2.代替要員を確保できる可能性
を総合的に考慮して決める。と、なっています。
これでも抽象的で判り辛いかと思いますので、
有給休暇の時季変更権を行使したい場合は、岐阜ひまわり事務所までご相談ください。
それでは、質問の退職時にまとめて有給休暇を取りたい。と、言ってきた従業員にはどうしたら良いでしょうか?
以下、説明いたします。
退職時にまとめて有給休暇を取る従業員への対応の仕方
上記の「会社の有給休暇の時季変更権」は、あくまでも変更権に過ぎません。
変更という限りには、変更先がなければなりません。
従って、変更先がなければ、「会社の有給休暇の時季変更権」の行使は認められず、従業員の要求通りの月日に、有給休暇を与えるしかありません。
どうしても引継ぎ等で有給休暇を取られては困るのであれば、退職日を伸ばしてもらう。とか有給休暇を金銭で買い取るなどして出勤してもらうよう頼んでみる。など、個別に交渉するしか現在の法体系では残念ながら手がありません。
従業員は退職を決めると、有給休暇の残日数を消化してから退職したい。と、ほとんどの場合、思うものです。
有給休暇は、最高で40日あります。
退職時に40日連続で休まれては困ってしまします。
よって、上記のように、個別に交渉するしか手がない以上、日ごろからできるだけ有給休暇を与えるようにする事が会社防衛上必要だと思います。
有休休暇でお困りの事業主様は、岐阜ひまわり事務所までご相談ください
岐阜ひまわり事務所では、会社設立から助成金申請・許可申請・給与計算・労務管理まで
御社の総務・人事部門を担当し経費節減にご協力できます。
お気楽にお問い合わせください
会社設立 助成金申請 介護業 派遣業 建設業 に強い 岐阜ひまわり事務所
岐阜県羽島郡岐南町上印食7丁目94番地の3
電話 058-215-5077