最低賃金について
1.最低賃金制度とは
最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に
支払わなければならないとされている制度です。
仮に最低賃金より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとされます。
したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
2.最低賃金の種類
(1) 地域別最低賃金
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、すべての労働者とその使用者に対して
適用される最低賃金として、各都道府県ごとに1つずつ定められています。
ちなみに、令和元年10月~の地域別最低賃金はこちらをご覧ください
(2) 特定最低賃金
特定最低賃金は、特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて各都道府県ごとに定められています。
もし、地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が同時に適用される場合は、高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められており、特定最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
3.最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られ、次の賃金は最低賃金の対象から除外されます。
(1) 臨時に支払われる賃金
(例)結婚手当など
(2) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
(例)賞与など
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
(例)時間外割増賃金など
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
(例)休日割増賃金など
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
(例)深夜割増賃金など
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
なお、賃金が時間給以外(月給・日給等)で定められている場合、賃金を1時間当たりの金額に換算して最低賃金額と比較します。
4.最低賃金が適用される労働者の範囲
最低賃金は、事業場で働くすべての労働者に適用されます。
(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず適用されます。)
しかし、 一般の労働者と労働能力などが異なるため、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める可能性がある精神や身体の障害により著しく労働能力の低い者等については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
なお、派遣労働者については、派遣先の地域(特定)の最低賃金が適用されます。
5.最低賃金の改定
最低賃金は、
(1)労働者の生計費
(2)類似の労働者の賃金
(3)通常の事業の賃金支払い能力
を考慮して定められることとなっており、地方最低賃金審議会での審議を経て、都道府県労働局長により決定されます。
なお、労働者の生計費を考慮する場合に、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮することとされています。
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