顧問先事業主様からの質問
遅刻や早退が多い社員がいて困っています
遅刻・早退が多い多い社員がいて困っています。遅刻した時間や早退した時間は、賃金を支払わなくてもよいですか?
また、遅刻・早退を理由に懲戒処分にはできますか?
賃金との関係
ノーワーク・ノーペイも原則が働きます。
これは、
労働契約法第6条が定める労働契約は、労働者による労務の提供と、使用者による賃金の支払との双務契約です。
したがって労務の提供が履行されず、それが労働者の責任に帰する場合は、対応する賃金の支払義務も原則として生じません。
これを難しい言葉で、ノーワーク・ノーペイの原則といいます。
つまり労働無くして給与無しと言う、給与計算の基本原則となる考え方を示した言葉です。
ですので、遅刻した時間や早退した時間については、賃金を支払う必要はありません。
しかし、例えば減給をするなど、それ以上のペナルティを科す場合は、就業規則に規定する必要 があります。
ただし、就業規則に規定さえすれば、無制限にペナルティが科せるか?と言うと、そうではありません。
労働基準法91条には
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合において、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の1/10を超えてはならない。」
とされており、上限があることに注意をすることが必要です。
懲戒処分の可否
遅刻・早退を理由に懲戒処分に付することは可能です。
しかし、解雇などの重い処分に付する場合は、適宜注意を行っていたなどの一定の段取りが必要になります。
遅刻を何回も繰り返す社員を解雇した場合、その解雇が有効か否かに関して、多くの判例でポイントとされているのは、あらかじめ警告その他の処分を行っていたか否かという点です。
先ずは、適宜に注意をし、社員自身の努力や自らの手による改善を促すべきです。
遅刻常習者に対して、上司が適宜の注意をせずに、いきなり解雇!となると、解雇権濫用としてその解雇は無効となる可能性が高いです。
ある程度、度が過ぎるようであれば、軽い戒告処分・譴責処分 といった処分を行い、それでも改善が見られなければ解雇に踏み切る。という段取りが必要です。
実際の判例でも
1年5ヵ月の間に180回も遅刻した社員を解雇したのですが、事前に適切な警告などがなされていなかった(上司は口頭注意しかしていなく、始末書などは書かせていなかった)ことを理由にその解雇は無効。とした、事業主にとっては納得がゆかない判例もあります。
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